2026/08/16
『野方・ゴルフ・初心者』最終話 もう「どうしよう」とは言わない。ゴルフを私の武器にするための第一歩
「内田様、本日の体験レッスンはいかがでしたか?」 着替えを終えてフロントに戻ると、受付のスタッフさんが温かいお茶を出して笑顔で迎えてくれた。
「……ものすごく、楽しかったです! 運動音痴の私でもボールが飛ぶなんて、本当に感動しました」 私の言葉に嘘はなかった。あんなに重かった足取りが、今は嘘のように軽い。
「よかったです! もしよろしければ、初心者向けの『月4回定期レッスンコース』というプランもございますが、ご案内してもよろしいでしょうか?」
スタッフさんが提示してくれたパンフレットには、仕事帰りに無理なく通えるスケジュールと、初心者がコースデビューするまでのロードマップが分かりやすく書かれていた。
少し前の私なら、「そんなの無理無理!」と断っていただろう。でも、今の私は違った。あの真っ直ぐ飛んだ打球の快感が、プロに褒められた嬉しさが、私の背中を強く、優しく押してくれていた。
「はい。私、ここに通って、もっと上手になりたいです。入会します!」
その場で入会手続きの書類にサインを書き終えたとき、カチッと自分の中で何かのスイッチが切り替わったような気がした。
週が明けた、月曜日の朝。 「おはよう、美咲さん。どう、ゴルフ進んでる?」 給湯室で、課長が先週と同じように気さくに声をかけてきた。先週なら冷や汗を流して逃げ出していたシチュエーションだ。でも、今日の私は、マグカップを片手にしっかりと課長の目を見て、ニッコリと微笑むことができた。
「はい、課長! 実は先週末、インドアのゴルフスクールに入会したんです。まずはそこで基本をみっちり特訓して、近いうちに課長に打ちっぱなしに連れて行ってもらうのを楽しみにしています!」
私の堂々とした答えに、課長は一瞬驚いたような顔をした後、これまでにないくらい嬉しそうに目を細めた。 「おおっ、本当に始めたんだ! 凄いなぁ美咲さん。よし、じゃあ最初のコースデビューのときは、俺が全力でサポートするからな。頑張れよ!」
「はい、よろしくお願いします!」
デスクに戻り、パソコンの画面を開く。 ゴルフ接待。それは今でも私にとっては高い壁だし、ビジネスとしての緊張感はある。でも、もう「どうしよう」と怯えて縮こまる私はそこにはいなかった。
ゴルフはきっと、これからの私の営業人生において、最高に心強い武器になってくれる。クラブの持ち方すら知らなかった私は、今、新しい未来に向かって、力強く第一歩を踏み出したのだ。
【プロのワンポイント解説】
最初の一歩を踏み出したあなたへ。ゴルフはあなたを裏切らない
美咲さん、スクールへのご入会、そして上司への堂々とした宣言、本当におめでとうございます! 素晴らしい結末に、私もインストラクターとして胸が熱くなりました。
最初の「持ち方もわからない」という絶望から、わずか1ヶ月で「ゴルフを自分の武器にする」と言えるまで前向きになれたのは、美咲さんが勇気を出してプロに頼り、正しい一歩を踏み出したからです。上司の方のあの嬉しそうな顔が、何よりの証拠ですね。社内で「お、あの子は前向きに頑張る子だな」という信頼を、ゴルフを始めるプロセスだけで勝ち取ったのです。
ビジネスゴルフのゴールは、プロのように上手く打つことではありません。「マナーを守り、一生懸命プレーして、同伴者と楽しい時間を共有すること」です。スクールで基礎を学んでいけば、それは必ず達成できます。これからの美咲さんのゴルフライフと、営業としての活躍を、心から応援しています!
【まとめ】
最初は上司の言葉に怯えていた美咲ですが、インドアスクールとの出会いを通じて、ゴルフの楽しさを知り、自らの意志で未来を切り拓くことができました。 美咲のゴルフ成長ストーリー・第1章はここで幕を閉じますが、彼女の営業パーソンとしての本当の挑戦は、ここから始まります!

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